色覚異常の治療の可能性について【クレパスの色】考察①


城雄二氏と玉井純子氏の著作『クレパスの色が見分けられますか』では色覚異常についての様々な考察が書かれていますが、やはり気になるのは「色覚異常の治療の可能性」です。

私はかつて和同会で電気通電治療を試みました。(その記事はこちら

『クレパスの色』での色盲治療の可能性について以下のように書かれています。

4--色覚向上・治療の可能性

医学界の通説は「治らない」

現在の医学界の定説は、「色盲の色覚障害の発生の源は網膜の視細胞にある視物質の遺伝的欠損、ないし異常である」という考えです。これは、「ヤング・ヘルムホルツの理論」に基づいたものです。

その眼科学会全体が信じている「色覚異常は治らない」という根拠はどこから来ているからというと「色覚異常は遺伝だから」ということが主な理由のようです。しかも、それだけのことで、色盲の人だけでなく、色弱の人も、それが治らないというのが常識になっています。

・・・(略)

ところで色覚異常は、正常な人と同じくらいに色覚は向上するといって、皮膚に電気刺激を与えて治療している所があります。それについてあなたはどう思いますか。

①まったくのインチキ

②色覚検査表を読めるように訓練でおぼえさせているだけで、色が普通の人並に見えるわけではない。

③事故で後天的に色覚異常になった人のみを治療している

④色覚が向上することはありえる

どうして、そう思いますか。

「色覚異常の治療はまやかしだ」という意見があります。「色盲はもともと色を感じる物質が細胞内にないのだから、皮膚の上から電気刺激などで治療を試みても、色盲の本質が変わるということはとうてい考えられない。治ったというのは、色覚検査表を読めるように訓練して効果を上げているにすぎない」という考え方です。

では、遺伝病というものの治療はまったくできないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。広い意味での遺伝病というのは治療の対象とされているものが次第に増えてきています。

喘息などのアレルギー体質は遺伝しますが、治療により、その病気の治癒ないしは軽減が行われています。糖尿病も広い意味の遺伝病ですが、治療は行われています。・・・・(略)

人類遺伝学の大倉興司助教授(東京医科歯科大)は、「遺伝子によってもたらされる疾患の治療とは、言葉を換えて、遺伝子の発現を抑えることだと考えれば、例えば、糖尿病は食事の制限やインシュリンの投与など『環境』の変化で治療しているのだ」ということを言っています。

『クレパスの色が見分けられますか』p65ー67

確かに「色覚異常は遺伝だから治らない」というのは最初から医学者が匙を投げているように思います。

遺伝病でも治療法か確立し、治っているものも少なからず存在します。家族性高コレステロール血症は遺伝病ですが、投薬と食事のコントロールである程度予防出来ます。

遺伝病の治療は大きく分けて2つあると考えられます。

1つは対処療法です。

花粉症や喘息などのアレルギー疾患には遺伝要素も絡んできますが、薬と生活環境の留意で症状を抑えることは出来ます。

もう1つは遺伝子治療です。

こちらは成功すれば根本治療になります。

色覚異常の場合、対処療法での治療は望めないように思います。可能性とすれば遺伝子治療ではないでしょうか。

色盲の遺伝はX染色体における劣性遺伝が原因です。単独遺伝子による変異なので、遺伝子治療の可能性はあると考えれます。

問題は色覚異常の治療に関して、医学界が真剣にならないことでしょう。学会で「色盲の治療法はない」がいったん定説になればそれに反して研究をしたり発表すれば、異端児扱いになります。

また色覚異常は直接命に別状がない病気ゆえ、研究の優先度も低く、社会的関心もないのが現状です。

そのような環境のなかで色覚異常の研究が進まないのは、この『クレパスの色』の本が上梓されてからゆうに20有余年たった今の状況を見れば一目瞭然ではないでしょうか。

私は「色覚異常の治療の可能性」は、まったくの予想外の方向から糸口が掴めると思っています。

それは対処療法でも遺伝子治療でもない。

この『クレパスの色』の本を読んで、それを確信しました。

色覚異常を治療、色覚異常の治し方はあるのではないか、と。

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