色盲治療で脳に電気を流す療法を試した結果

もう20年ほど前の話ですが、色覚異常で就活がままならず、途方にくれていた時に、民間で色覚異常の治療を行っているクリニックがあると知り、治療を試みたことがあります。

常識的には色覚異常は治らないことは理解していたけれども、ひょっとしたらという思いもありました。今になって、冷静に振り返れば弱味につけ込まれたのかもしれません。

結論から申しますと、効果はありませんでした。

しかしながら、少しばかり不思議な体験をしたので、お話したいと思います。

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そのクリニックを知ったきっかけ

私がそのクリニックを知ったのは高校の保健室に「色盲・色弱は治る」という本があり、その本を読んだからです。

そのクリニックが出している本でした。宣伝目的で全国の高校に配っていたようです。

そこには、治療の成果を綴った体験談が書かれていました。

私も読んでみました。それなりの説得力があると感じました。まあ、心の奥では「治りたい、治る方法が見つかればいい」と思っていたのでそう思えたのかもしれません。

実際に治療に行ったのは大学四年の時です。

クリニックの場所は東京の目白。JR目白駅を出てすぐの雑居ビルです。たしか一階がケーキ屋だったと思います。

費用は10万円。脳への通電療法~たくさんの人が来院していた

費用は10万円でした。10万円で色盲が治るなら安いものです。騙された場合は勉強代だと割り切りました。私は人生の岐路に立っていたので、可能性に賭けようと思ったのです。

そこでの治療は通電療法でした。

両方のこめかみや耳に通電用のパッドを当てて、電気を流すというものです。まあ、低周波治療器のようなものを付けて電気刺激を与える感じですかね。

脳への通電というと危険な感じがしますが、私がやる前にすでに多くの人がやっていたので危険性はないと判断しました。

実際、初めて行った日の、クリニックの繁盛ぶりにいささか驚きました。常時50人ぐらいの人が、色盲治療にやって来て、順番待ちをしていたのです。一日に何百人と通っていたのではないでしょうか。

実際にやってみた感想ですが、通電は痛みは感じませんが、そこそこの刺激がありました。目を瞑ると、光の縞模様が浮かびます。

やっている最中はなんとなく治りそうな気がしていました。

トータル20回ほどは通ったでしょうか。

しかし、私の色覚はまったく変わりませんでした。新たに色が見えるようになることはなく、見る風景も何一つ変化しませんでした。

結局、私は騙されただけだったのか、そう感じました。これは詐欺の類なのだろうかと。

しかし1つだけ腑に落ちないことがありました。

私以外にも多くの人が毎日そのクリニックに通い続けているのは何故か?

他の人は治療の効果があるのだろうか?

ということです。

色盲治療に来ていた他の人達に訊いてみた

ああいう場所に治療に来ている見知らぬ人達に声をかけるのは少し躊躇われたのですが、治らないのは自分だけか、それとも他の人も同じなのかどうか知りたくなり、思い切って声をかけることにしました。

自分と同年代ぐらいの男性5人に話を聞きました。

話を聞いたうち、3人が治療の回数を重ねているが、「まったく効果がない」と答えました。

私と同じでした。

しかし、残りの2人は「効果があった」と答えたのでした。

その2人に「色覚異常が治ったのか?」

と訊くと、

「治ってはいないが、色覚が向上したのは確かだ」

というような答えをしました。

彼らが嘘を付いているとは思えないし、嘘をつく必然性もないはずです。

となると、通電療法は人によって効果がある人間とない人間がいるということなのか。

変な話だと、自分ではよくわからないままでしたが、私はそのクリニックに通うのを止めました。

現在、そのクリニックは閉鎖されています。

通電療法の効果は今もって疑問だが・・・

今はネット時代で様々なことが調べられるし、また色んな立場の人の声を知ることができます。

例のクリニックはネットで調べてみると、詐欺や悪徳商法との話も出ています。

逆に、ごくごく一部ですが、眼科医のなかにも、このクリニックの治療について肯定的な意見の人もいると知り、やはりそうかと思いました。

いまだにモヤモヤ感は残りますが、色覚異常の治療については現時点で確立されていません。

私は治らないと思っていますが、通電による色覚異常の治療について、医学的なアプローチもして可能性として捨てるべきではないと考えます。

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